お知らせ
離婚協議書と不動産登記
離婚時には、不動産を財産分与することがあり、この場合は、不動産を分与する旨を離婚協議書に記載することになります。
分与対象は、不動産の所有権の場合もあれば、持分である場合もあります。それぞれの登記の際には、「所有権移転登記」「共有持分全部移転登記」と呼ばれます。
不動産の所有権や持分を分与する場合は、謄本を参照しながら、
土地であれば、「所在」「地番」「地目」「地積」を記載します。
建物であれば、「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」を記載します。
分譲マンションであれば、「所在」「建物の名称」「土地の所在及び地番」「地目」「地積」「専有部分の家屋番号」「名称」「種類」「構造」「床面積」「敷地権の種類」「敷地権の割合」を記載することになります。
また、不動産が農地である場合は、農地法上の許可が必要になります。
不動産の分与については、第三者に対抗するためには、登記をする必要があります。
ここで作成する離婚協議書は、いわゆる「登記原因証明情報」とされ、登記手続に必要となるため、遺漏なく正確に記載する必要があります。
不動産の分与を伴う離婚協議書を作成する場合は、登記手続の費用負担等も考慮すべきです。
なお、強制執行認諾文言付きの公正証書をもっても、不動産を明け渡したり、登記を行うことを強制させる(強制執行を行う)ことはできません。
公正証書による強制執行は、金銭に関することに限られるためです。
不動産の明渡しや登記を求める場合は、調停や訴訟などの手続によることになります。
ちなみに、登記原因は「財産分与」で、「所有権移転」や「共有持分全部移転」です。
日付は、離婚が成立した日(離婚届を提出した日)以降となります。財産分与は、離婚の成立を前提としているためです。
離婚が成立していない状態で、先に財産分与を原因とする登記手続は行うことができないため、注意が必要です。