お知らせ
離婚届と離婚協議書のタイミングについて
今回は、離婚届と離婚給付等公正証書や離婚協議書とでは、どちらを先に完了させるべきかについて考えます。
結論としては、
①公正証書・離婚協議書作成、締結→離婚届
②離婚届→公正証書・離婚協議書作成、締結
のいずれでも間違いではありません。
当事務所が取り扱う案件の中では、①の順序で離婚する場合が多いようです。
これについては、離婚条件を取り決めて、合意がなされた証として書面を作成し、最後に夫婦としての関係を終了させることになります。
特に、公正証書では、当事者夫婦2名の立会ないし公正証書の締結が必要であるため、離婚に必要な作業を全て終えてから離婚するというのは、理にかなっています。
離婚(夫婦としての関係終了)前に、事前に協議し、条件を調えておくため、離婚後のトラブルも低い傾向になります。
そのため、当事務所では、特段の事情がなければ、①の順序をおすすめしています。
他方、②の順序でも法的には問題ありません。
ただし、離婚後の財産分与には期限があることや、離婚成立しており、夫婦としての関係が終了している以上、相手方の協力が得られにくい場合も考えられます。
それでも、離婚を急ぐ場合や、円満な離婚であり、離婚後も当事者間でコミュニケーションや協力が得られるのであれば、②の順序も有効です。
なお、この場合は、「離婚協議書」というタイトルではなく、「合意書」というタイトルになります。既に離婚は成立しているため、「離婚協議」は行わないためです。
ただ、避けるべきなのは、公正証書作成中に離婚届を提出してしまうことです。
通常、公正証書を作成するには数週間かかり、公正証書作成中は、離婚していない=夫婦である前提で書面が作成されます。
この間に離婚してしまうと、公正証書の前提が変わってしまい、文言や内容の変更が必要となります。また、離婚したことを明らかにするための証明書等の提出も求められるようです。
場合によっては、作成依頼をいったん取り下げ、改めて離婚後の取り決めを記載した公正証書を作成する事態に陥ることもあり、無駄に資金や労力がかかってしまいます。
当事務所では、
①離婚協議書(公正証書原案)作成ないし締結→離婚届
②離婚届→離婚協議書(公正証書原案)作成ないし締結
いずれにも対応しています。
それぞれの場合に応じた適切な書面を作成します。